「早期発見」から「未病発見」へ 人間ドックで 健康長寿を手に入れる 池袋ロイヤルクリニック

IMS(イムス)グループは、人間ドックなどの予防医学の提供に力を入れています。その役割は、病気の早期発見・早期治療にとどまりません。
病気になる前の小さな兆候や不調=「未病」を見つけ、発病をくい止めること、そして心身ともに健やかで、満たされた社会生活が送れるよう、サポートすることが求められています。
今回は人間ドック健診指導医で消化器内科医である池袋ロイヤルクリニック院長・山田忍先生に、賢い人間ドック受診法を伺いました。
人間ドックで自分の体と生活習慣に向き合う
IMS(イムス)グループでは、現在、「池袋ロイヤルクリニック」「新宿ロイヤル診療所」「千葉ロイヤルクリニック」「イムス八重洲クリニック」「イムス仙台クリニック」「イムス東京健診クリニック」「イムス板橋健診クリニック」「イムス太田中央総合病院 健康管理センター」の8施設が〝予防医学部門〟として各種人間ドックとがんスクリーニング検診を展開しています。
会社などで毎年受けられる健康診断と人間ドックは、どこが違うのでしょうか?
労働安全衛生法や国民健康保険法など各法令に基づいて実施される、いわゆる健康診断には、事業者が行う一般健康診断、市区町村が行う基本健康診査(18~39歳)、特定健康診査と特定保健指導(40~74歳)、後期高齢者医療広域連合による健康診査(75歳以上)などがあります。
人間ドックのスタンダードコース(日本人間ドック学会指定の検査項目による)と比べると、健康診断でカバーできる審査項目は半分くらいでしょう。
健康診断の主な目的は、メタボリック症候群など生活習慣病の基本チェックです。したがって血液検査では感染症項目が不足していますし、腹部超音波や肺機能検査もありません。便潜血検査(大腸がん)や、胃のバリウムや胃(上部)内視鏡検査も、別途がん検診制度を利用する必要があります。
発見できない病気がいろいろあるわけですね。
全身を総合的に診断するには不十分です。それ以上に大きいのが、医師による面談=カウンセリングの有無。健康診断では後日結果が書面で通知されるだけですから、目は通しても「受けっぱなし」で終わる方が多いのではありませんか?
そうですね。再検査や精密検査が必要と書かれていても、つい忙しさにまぎれて放置したり、中には「悪い病気と診断されたら怖いから、検査には行かない」という人までいます。
困りますね(笑)。人間ドックの一番の目的は、カウンセリングを通して、自分の体とライフスタイルにじっくり向き合っていただくことです。病気の早期発見ももちろん大事ですが、それ以前に、自分にとっての健康の意味を確認してください。
検査の数値が正常範囲にあっても、疲れが取れなかったり、ストレスが溜まっていたりして、充実した社会生活が営めないなら、﹁健康﹂とはいえないでしょう。原因はどこにあるのか、食事はバランスよく摂っているか、運動習慣はあるか、睡眠は足りているか。お酒は? タバコは? 医師と気楽におしゃべりしているうちに、いろいろ課題がみえてきますよ。
将来病気にならないよう、予防を心がけてほしい、と。
現代は、治療医学より予防医学の時代。そして予防医学には3段階があります。
1次予防が、生活習慣や環境の改善による健康増進と疾病予防。2次予防が早期発見と早期治療。重症化や合併症を予防します。3次予防がリハビリテーション。機能回復で生活の質を守り、再発防止を図ります。人間ドックで1次予防を推進できれば、医療費の削減にもつながるでしょう。平成27年度の国民医療費は41.5兆円。平成7年度が27兆円ですから、大変な伸び率です。
超高齢化社会の大きなテーマですね。
「健康寿命」をご存知ですか? WHO(世界保健機関)が平成12年に提唱した言葉ですが、介護や長期入院の必要がなく、自立して生活できる期間を意味します。平成25年度のデータでは男性の平均寿命80・21歳に対し健康寿命は71.19歳。女性は86.61歳に対し74・21歳。つまり男性は9年間、女性は12.4年間も介護と医療に依存しているのです。
いわゆる"寝たきり〟を招く疾患には脳卒中の後遺症や認知症、骨粗鬆症による骨折などがあげられますが、いずれも動脈硬化や糖尿病など生活習慣病との関係が指摘されています。人生のラストステージを元気に過ごすには、30代、40代からの健康管理がものをいうんです。
医師のアドバイスが継続して得られる施設を
では、人間ドックの上手な利用法を教えてください。
新しく適切な医療・検査機器を備えた施設であること、画像診断に優れた専門医が在籍していることは基本ですね。
大切なのは医師とコミュニケーションが取れて、何年も継続的なアドバイスが得られることでしょう。そうすれば一人ひとりのライフスタイルや健康状態に合わせて、必要なオプションメニューを組み合わせ、人間ドックならではのオーダーメイド健診を実施できます。
利用者が多いのはどんなオプションですか?
一つは、女性ならではのがん検診。乳がんはマンモグラフィと超音波検査があり、乳腺密度の高い方は両方受けると安心です。子宮頸がんは細胞診。当院には骨盤腔MRIがあるので、子宮体がんや卵巣がんもチェックできます。胃がんスクリーニングとしてピロリ菌抗体・ペプシノゲン検査もよいでしょう。血管に不安のある方には脳ドックと、動脈硬化を調べる頚動脈エコーや、ABI(血管を調べる検査)を提案しています。
受診後のフォローアップも大切ですよね。
もちろんです。再検査や精密検査、治療が必要な場合、多くの方が適切な医療機関を紹介してほしいと希望されます。
当院にはグループ連携の強みがありますから、イムス総合サービスセンター(※下記参照)が即日ご相談に応じます。二次検査をお受けになっていない方には、後日連絡を差し上げ、お困りのことがないかどうか、ご案内する体制を整えました。二次検査の受診率がグンとアップしました。
検査に行ったり、生活習慣を改めたり。実際に行動に移すのは、ハードルが高いです。
決め手となるのは、医師と受診者さまとの信頼関係です。私は、男性には「10年前の気力・体力」、女性なら「10年前の若くキレイな私」を強くイメージしてもらうようにしています。行動変容のモチベーションを維持する、一種の認知行動療法ですね。
少し体重が落ちると、体が軽くなり運動がしやすくなる。すると血糖値やコレステロール値も改善するなどいい循環が起こりますよ。禁煙外来を受診する方も増えました。
池袋ロイヤルクリニックは、今年(2017年)8月に一部リニューアルすると伺いましたが?
内視鏡センターが創設され、食道~胃、大腸の検査キャパシティがアップします。
80列マルチスライスCTも導入され、胸部CT検査やファットスキャン(内臓脂肪)の精度も向上。またオプションとして、快適なロイヤルサロンのご利用とコンシェルジュによるご案内も用意しています。従来から好評な、男女別のフロア構成はそのままです。
●イムス総合サービスセンター
IMS(イムス)グループ 医療法人社団 明芳会
池袋ロイヤルクリニック
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-21-11 オーク池袋ビル8F・9F・10F
TEL. 03-3989-1112 http://www.ims.gr.jp/ikebukuro/
◎記事内容に関するお問合せ:03-3989-1112

人間ドック健診指導医・人間ドック健診専門医
日本医師会認定産業医
池袋ロイヤルクリニック 院長
山田 忍 医師