2つ目の回復期リハビリテーション病棟がついにオープン! 佐原中央病院

古くから水郷の町として栄え、小江戸とも呼ばれる当時の町並みが残っている千葉県の佐原 。医療から介護まで一貫性のあるリハビリテーションの提供を目指している佐原中央病院は、佐原の利根川河川敷に面して位置しています。
2011年の東日本大震災の際には、近隣一帯の液状化現象で被害を受けましたが、見事に回復。管理棟も完成し、2014年2月からフルオープンしています。
正面右側に建てられた管理棟は3階建てで、1階に専用玄関付の通所リハビリテーション(デイケア)室と浴室、2階には職員食堂・会議室・職員用の保育室、3階には病棟の2階から移動した総務などの事務機能が置かれました。事務機能があった病棟の2階スペース約900平方メートルは改修して回復期リハビリテーションの病床38床(4人部屋9室、個室2室)を設置、従来の59床と合わせて回復期リハビリ病棟は計97床になりました。
また、特殊疾患病棟60床、療養病棟60床と合わせ、当院全体では計217床となっています。
離床センサー付きの最新型ベッドを設置
新設した回復期リハビリ病棟には離床センサー付きのベッドを設置。ベッドに内蔵した荷重センサーが荷重の変化を検知することで、患者さまの起き上がりや離床をナースコールで知らせます。これにより、患者さまの転落・転倒や徘徊をいち早く気づいて対処できます。従来のマット式と比較してより正確な検知が可能です。
通所リハビリテーション(デイケア)に短時間コースも
今までのデイケア・1日コースに加え、リハビリテーションに特化した1時間以上2時間未満コースも昨年より実施し好評を得ています。新設の開放的な通所リハビリテーション(デイケア)室で、1対1の個別リハビリテーションを行っています。
医療・福祉・行政・地域との医療連携を推進
当院は、千葉県・茨城県の急性期病院からの転院患者さまが多いことも特徴です。これは近隣地域で唯一、回復期リハビリ病棟を持つ病院だからでしょう。
そこで、各関係機関との医療連携意見交換会を平成22年より行っています。3月に開催した際は、1ヵ所の急性期病院から30名以上の医師・スタッフに来院いただき、院内の施設案内や、ご紹介患者さまの症例報告会を開きました。医師をはじめ多職種のスタッフが一堂に会することにより、共有できる情報の精度も向上し、より質の高い医療・看護・介護・リハビリテーションが提供可能になりました。
連携先病院との良好な関係を構築
副院長 リハビリテーション科
菅原 吉隆 医師
地域医療連携の新たな取り組みとして、連携先の急性期病院から医師の派遣をいただくことが実現しました。当院の患者さまはこうした病院から転院してきた方も多いので、顔なじみの医師に再会して喜んでいます。また、患者さまの回復に、素直に喜ぶ医師の笑顔も見ることができました。各専門の医師の診断を仰ぐことは、患者さまにとっても、急性期病院の方や当院にとっても、とてもメリットのあることだと思います。
リハビリ病院として地域に浸透
看護主任
蛯原 ひとみ 看護師
回復リハビリ病棟の増設には、私たち看護師の意見も多いに取り入れていただきました。
浴室は半身マヒの状況に合わせて利用できるよう、左右対称に設置。浴槽は、家庭で使うタイプを採用、あえて段差を残しています。これは在宅復帰した際に戸惑わないように配慮したものです。トイレも同様に左右対称に配置。
また、便座高も42センチと46センチの2タイプあります。当病棟では60歳代以下の患者さまが全体の約40%を占め、以前に比べて20〜30歳代の患者さまを多くお見かけするようになりました。若い方が増えたのは、近隣地域に「当院が回復期リハビリテーションの病院である」ことが認知されてきた証しだと思います。
リハビリを通じて地域に貢献
リハビリテーション科 主任
神尾 里美 言語聴覚士
言語聴覚士は、ことばの障害、きこえの障害、声や発音の障害、食べる機能の障害などに対して、指導・助言・援助を行う専門職です。回復リハビリ病棟の増床分だけ、入院患者さまも増えており、言語聴覚士の出番も増えました。当院には言語聴覚士が、この地域ではもっとも多い7名が在籍しています(2014年4月現在)。昨年より、地元の行政機関で取り組んでいる難病相談事業に協力させていただき、保健師の方と同行しての在宅相談なども行っています。多職種との連携を強化し、地域貢献に努めたいと思います。
「顔の見える連携」がキーワード
総合相談室 主任
島﨑 まや 社会福祉士
昨年末より、近隣の急性期病院に直接訪問しての合同ラウンドを開始しました。グループ外病院との合同ラウンドは初めての試みだと思います。この試みにより、当院に転院希望されている患者さまと直接会うこともできます。得てして「紙」だけの情報に頼りがちですが、患者さまや、転院前の病院のスタッフと顔を合わせて情報を共有することで、質の高いサポートが可能になると思います。
医療法人社団明芳会
佐原中央病院
〒287-0001 千葉県香取市佐原ロ2121-1
TEL.0478-55-1113(代表)
http://www.ims.gr.jp/sawarachuou/
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